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未承認薬,ドラッグラグ

未承認薬と保険適用外診療費

医薬品は開発されてすぐに病院で治療に使われたり、ドラッグストアで販売される訳ではありません。
治験などを行うことで有効性や安全性が確認できた場合のみ承認がおり、利用することができます。日本にて承認されていない薬のことを未承認薬といいます。

未承認薬とドラッグラグ

新薬の開発が盛んに行われている国はアメリカとヨーロッパ、そして日本です。

薬は用法・用量、そして効果や副作用に関しては民族により違いが生じるとされております。そのため海外にて承認が下りている新薬に関しても、自国において安全性を確認することができなければ承認は下りず、医療機関などでも利用することができません。

そして日本ではこの承認期間が平均で4年はかかると言われております。

ドラッグラグとは?

薬という意味のドラッグと、「時間のずれ」という意味のタイムラグを合わせたドラッグラグという言葉があります。

海外では普通に利用されている薬が、日本では承認が通っていないため、まだ利用することが出来無いという状況を表す言葉です。先にご紹介したとおり、日本では平均承認期間は4年とされておりますが、アメリカでは平均的な承認期間が1年半とされているのです。

日本が開発した薬にも関わらず、アメリカやヨーロッパで先に承認が下りるということも珍しくないそうです。

ドラッグラグの原因としては海外と比較した場合の治験体勢の悪さ、また日本が諸外国に比べ医薬品の販売価格が安いなどの要因も考えられますが、日本における薬の承認システムにおいては人出不足などにより、承認期間が長いという根本的な問題があります。

日本では利用できない薬

海外にて有効性が確認されているという情報は、現在ではインターネットなどを通じて誰しもが入手することができます。

癌の治療などで未承認薬の抗がん剤を利用することができる病院などもありますが、保険適用外となり場合によっては、混合診療のため治療にかかった費用の全額を自己負担しなければいけなくなることもあります。

癌、てんかん、白血病など多くの人が苦しんでいる大病に対して、承認が待たれている薬が沢山あるのです。

コンパッショネートユースとは?

アメリカやヨーロッパなどで導入されている制度であるコンパッショネートユースとは、生命に関わる病気などの治療のために、未承認薬以外の代替治療法などが無い場合に限り、未承認薬の利用を認めるという制度です。

日本でも現在制度の制定が検討されておりまして、個人輸入などに頼っている現在よりも、国の了承を得た上で未承認薬を使用することができる日が待ち望まれています。

保険外併用療養費制度による混合診療

海外で普通に使われている薬が、日本では手に入りづらいということが未承認薬の問題とされておりますが、病院などを通じて海外から未承認薬を取り寄せることが可能な場合があります。

全額自己負担となる混合診療

未承認薬は保険診療には適用されず、さらに少しでも保険適用外の治療を行うことにより、他の保険が適用された治療費に関しても混合診療が認められていないことから、全ての治療費に関して保険適用外の金額を負担しなければいけないということが、健康保険法にて規定されておりました。

評価療養と選定療養における併用療養

健康保険法の改正により平成18年(2006年)10月1日から、特定療養費制度が見直され、保険外併用療養費制度として新しくなりました。

特定療養費制度とは特定承認保険医療期間にて先進医療などを受ける場合や、選定療養を受ける場合に限り、保険適用外の治療費は全額自己負担し、それ以外の治療費は保険適用を受けることができる制度でした。しかし対象となる範囲が狭いという問題がありました。

対象となる範囲を広げることを目的とした改正により、現在では評価療養と選定療養に関しては保険適用診療との併用が可能となり、保険外併用療養費として保険の適用を受けることが出来るようになりました。

評価療養・選定療養の概要

保険適用診療との併用が可能となる評価療養と選定療養とは、厚生労働大臣により以下のように規定されております。

評価療養とは

高度医療を含む先進医療、医薬品や医療機器の治験に関わる診療、薬事法承認後かつ保険適用前の医薬品や医療機器による治療、適用外の医薬品・医療機器の使用。

選定療養とは

差額ベッドなどの特別療養環境、歯科医療における金合金や金属床総義歯、予約診療や時間外診療、大病院(200床以上)の初診・再診、リハビリ等における制限回数超過医療行為、180日を超える入院、小児う触治療における指導管理。

未承認薬の使用にあたっての保険外併用療養費

未承認薬でも治験などにより安全性が確認されており、承認待という段階の医薬品に関しては評価療養にあたりますので、利用したとしても他の保険が適用される治療や薬代と、未承認薬の保険適用外の薬代などの併用が可能となります。

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