薬剤師になりたい人のための仕事/資格/求人に関する知識【ホワッツファーマシスト】
医薬分業

医薬分業により誕生した薬剤師

現在ではあたりまえに、病院から出された処方せんを病院外の薬局に持って行き、薬を処方してもらっております。
病院にて診察を受け、薬局から薬の処方を受ける現在の体勢を医薬分業といいます。

医薬分業とは

ヨーロッパの神聖ローマ皇帝であるフリードリヒ2世が、暗殺を防ぐために医師による調剤を禁止する法令を定めたことが、医薬分業の始まりとされております。

日本における医薬分業の歴史

日本では医者を藥師(くすし)と呼んでいたように、薬を処方するのが医者の仕事であり、1889年(明治22年)に薬局、そして薬剤師が定義されてからも、長く薬の処方が医師により行われておりました。

1956年(昭和31年)に薬事法と医師法、歯科医師法による医薬分業法が施行され、法の力で分業を進めようとしましたが、思うように分業率は伸びない結果に終わりました。

医薬分業が進んだ理由

1974年(昭和49年)に処方せん料が改定され、それまで10点(100円)だった点数が50点(500円)に引き上げられたことにより、医薬分業が進んだとされ、この年は分業元年とも言われております。

その後1990年には医薬分業率は10%程度まで徐々に上がり、医薬分業定着促進事業が始まり1990年代から分業率は加速度的に高まり、2010年現在では地域により差はありますが約62%の分業率を達成しております。

医薬分業のメリット

医師からではなく薬剤師から薬の処方を受けるメリットとしては、薬剤師による処方内容のチェックによる処方ミスの軽減、処方せんの患者への開示などがあります。

処方せんを実際に自分で目にすることと、薬剤師による薬の説明などを受けることにより、自分の飲んでいる薬の理解に繋がり、誤った服用方法などが減少したとされています。

そして「かかりつけ医」と同様に「かかりつけ薬局」ができることにより、複数の薬を服用している場合に相互作用による副作用などを防ぐことも出来るようになりました。現在では「お薬手帳」により複数の薬局を利用することも出来るようになりました。

院外薬局が増えることにより病院での薬を受け取る際の待ち時間が軽減されるというメリットもあります。

医薬分業のデメリット

今までは病院の同じ建物内にて受け取ることができた薬を、わざわざ院外の薬局に受け取りに行かなければいけないという手間が増えたという意見もあります。しかし、それは待ち時間軽減に繋がっており、病院によっては患者から処方を受ける薬局の指定を受けることで、先に処方せんを薬局に伝え、薬を用意しておくという連携が行われていることもあります。

処方せんに明記されている内容しか薬剤師には伝わらないことから、医師に説明した症状などを薬剤師から問われる場合があり、薬局という狭い空間とはいえ他の患者がいる場にて自分の症状説明に対する抵抗などがあります。

そして薬に関する情報提供料という、今までにはかかっていなかった料金が上乗せされるということがあります(情報提供は断ることもできます)。

医薬分業と薬剤師の関係

1949年(昭和24年)に初の薬剤師国家試験が行われてから、2010年現在までに95回国家試験は行われております。

薬剤師として働くためには登録が必要であり、さらに2年ごとに年度末における名前や現住所などを厚生労働省へ届け出なければいけません。

薬剤師数と医薬分業率

2010年現在で確認できる最新の情報は2008年年度末の届出情報であり、薬剤師の総数は267,751人と厚生労働省から発表されております。約4対6の割合で女性薬剤師の方が多く届出されております。

思うように伸びなかった医薬分業率ですが、1990年代半ばから薬剤師数、及び薬局の数が増える共に分業率も上昇し、現在では60%を超えております。

薬剤師数と医薬分業率グラフ

医薬分業と薬局の今後

グラフからもわかるように医薬分業率は着実に伸びてはおりますが、近い将来頭打ちになるともいわれております。

病院の目の前にある門前薬局も揃い、新規での調剤薬局の開設は難しいともいわれております。しかしドラッグストアなどが調剤業務に力を入れてきており、調剤業務を始めることで保険薬局などよりも立ち寄りやすい、ドラッグストアへ患者が流れると考えられます。

登録販売者制度により、ドラッグストアへの薬剤師就職が減少すると考えられておりますが、調剤業務を行うチェーンのドラッグストアが増えることで、薬剤師のドラッグストアへの就職率は維持されるかもしれません。

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